子どもと関わる仕事として保育士と合わせて候補に上がるのが幼稚園教諭ですよね。
一見同じような仕事に見えますが、実は必要な資格や働き方などが異なります。
今回は、保育士との2つの職業について比較していきます。
保育士と幼稚園教諭の違いとは?
保育園の先生か幼稚園の先生か、どちらになろうか考えている人も多いのではないでしょうか?
似ている仕事にも思えますが、次のような違いがありますので、これから保育士や幼稚園教諭を目指す方はしっかり理解しておきましょう。
違い(1)必要な資格
保育士と幼稚園教諭では、必要な資格が異なります。
保育士になるには保育士資格、幼稚園教諭になるには幼稚園教諭免許が必要です。
それぞれの資格は、取得方法や取得の条件が異なります。
保育士資格
保育士になるために必要な保育士資格は、次の方法で取得することができます。
- 厚生労働大臣指定の養成機関のある専門学校や大学を卒業する
- 保育士試験に合格する
必ずしも学校に通わなくても資格を取得することができるため、通信講座などで資格試験に挑戦する人もたくさんいます。
幼稚園教諭免許
幼稚園教諭になるための幼稚園教諭免許は、第1種免許状、第2種免許状、専修免許状の3種類があり、いずれか1つを取得することで幼稚園の先生として働くことができます。
それぞれの免許は、次の方法で取得することができます。
- 1種免許状:4年制大学にて幼稚園教諭養成過程を修了し、卒業する
- 2種免許状:短大・専門学校を卒業する
- 専修免許状:4年制大学を卒業後、大学院にて修士課程を修了する
幼稚園教諭になるためには、学校の卒業が必須となります。
基本的にはどの免許を取得しても幼稚園教諭になることができますが、働く幼稚園によっては給与や仕事内容に多少差が出ることもあるようです。
違い(2)保育対象の子どもの年齢
保育園と幼稚園では預かる子どもの年齢が異なります。
- 保育園:0歳~小学校就学前
- 幼稚園:3歳~小学校就学前
保育士は0歳から小学校就学前までの幅広い年齢の子どもを預かる仕事です。
保育対象の年齢に差があるのは、それぞれの施設の目的が異なるからです。
違い(3)施設の目的
そもそも保育園と幼稚園では、施設の目的が異なります。
保育園は厚生労働省の管轄で「児童福祉施設」という役割を持ち、幼稚園は文部科学省の管轄で「教育施設」という役割を持ちます。
保育園は子どもの面倒を見てくれる施設、幼稚園は子どもを教育してくれる施設という違いがあり、保護者が子どもを預ける目的が異なると言えるでしょう。
保育士は保護者の代わりになって子どもの生活をサポートする仕事、幼稚園は先生として教育する仕事と考えればイメージしやすいのではないでしょうか?
違い(4)仕事内容
保育士と幼稚園教諭の仕事内容を比較すると、どちらも子どもを預かる仕事という面で似ている部分も多々あります。
ただし、保育園と幼稚園では標準保育時間が異なるため仕事内容に多少差があることは理解しておきましょう。
- 保育園:8時間
- 幼稚園:4時間〜(延長あり)
各施設ごとに保育時間は異なりますが、保育園は朝から夕方まで、幼稚園は朝からお昼までの時間帯を標準保育時間としています。
保育園は預かる時間が長い分、子どもの遊ぶ時間が長かったり、お昼寝やおやつの時間が設定されることがあります。
そのため、幼稚園教諭は出勤・退勤の時間が一定であることが多いですが、保育士は早番や遅番などの勤務体系になることを頭に入れておきましょう。
子どもを見るだけが仕事じゃない!
保育士にも幼稚園教諭にも共通して言えることですが、仕事は子どもを預かるだけではありません。
保護者への対応や、連絡帳の記入やお便りの作成といった保育状況の報告、指導案の作成、運動会などの行事の準備など業務は様々です。
また、子どもが登園しない土日にシフト制で出勤する可能性があることも知っておきましょう。
保育士と幼稚園教諭は似ているようで違う
保育士と幼稚園教諭をまとめると次のようになります。
保育士 | 幼稚園教諭 | |
必要な資格 | 保育士資格 | 幼稚園教諭免許 |
保育対象の子どもの年齢 | 0歳~小学校就学前 | 3歳~小学校就学前 |
役割 | 保護者の代わり | 教育を行う先生 |
保育時間 | 8時間 | 4時間 |
これから保育士や幼稚園教諭を目指す人は、違いをしっかり理解しておきましょう。